ここしばらく、頑張り屋さんの「愛し方」シリーズということでお話しています。
今回も、このシリーズに頂いたお便りをご紹介しつつ、お返事します。
Sさん、お便りどうもありがとうございます!
(一部、改行・太字・下線の加工をさせていただきました。ご了承ください。)
(だいぶ長くなりました~!(汗))
メルマガを読ませていただきました。ちょうど私が必要だと感じていた「信頼する」という愛し方について書かれていたので、思わずメールさせていただきました。
今年の1月の半ばから、主人が突然指一本触れなくなったところから、いろいろなことが明るみになりました。
それに気づいた私が聞き出したところ
女として見れなくなった、子どもたちが巣立つ頃に離婚を考えている、自分を受け入れてくれない、いてほしい時にいてくれなかった、
ということが、どうやら原因のようでした。(子どもたちは中1と中3)
私は〇県からここ〇県に嫁いできて、17年経ったものの未だにまだ10年しかたっていないような気持ちで毎日必死でした。
良い母でいなければ、子どもたちのお手本にならなければ!と、この15年は正しさ第一でとにかく一生懸命で。
さらにここ4年近く、娘が不登校になり、3年ほど前の主人の転職で収入が激減したため、「私が頑張らなければ!!」と、かなり一人で背負い込み必死でした。
ここ二、三年の主人の様子も変わったなぁと思っていたものの、あまり深刻に捉えていなかったんです。
毎日の生活が必死すぎて。
主人が長男と私を見て「またイチャイチャしてる」と言っていたあの言葉を、
またイヤミを言ってるわ、ぐらいにしか取っていなかったのですが、
主人からの精一杯の主張だったのかな、と思います。
ただ、こうなってから色々本を読んだりネットを見たりしたところでは、
主人には幼少期からの環境によって愛着障害があるのかもしれないと思いました。
本当に、反抗期を経験しなかった人は、こんな歳になってから表面化するのか!と、驚いています。
そうだとすると、私が「安全基地」にならなければ!と思うようになりました。
ただ、そう心に決めても、やっぱり主人の言動に一喜一憂してしまい、
どうしても一人落ち込み涙することもしょっちゅうあり、常に主人のことが頭の中にあります。
ただ、今回のメルマガに書かれていた愛し方が主人にもやっぱり必要だと思いました。
答え合わせをさせていただきました!
話をした時に「まず、俺が悪いんだけどね。稼ぎが悪いからSを外ではたらかせて。」と言っていたので
もともと自分に自信をモテないタイプの主人は、また更にだいぶ自信を失っているのかもしれません。
私は彼に、まだちゃんと愛があるので、愛している以上は頑張ろうと思っています。
ちゃんと、意地を張らず、愛と感謝を伝えよう!心に決めました。
が…触れさせてもくれなければ、話しかけてもくれないし、私が話すことにはほぼ無反応。
愛や感謝を口にしてみても嫌そうな顔をされるだけ。
私が今できることは、主人が嫌がることをやめて、必要としていることに対して、先回りしないように、でも出来るだけ応えていくことしかないかな、と思い、実行する毎日です。
ただやはり、それだけで本当に彼に伝わり、彼の自信に繋がるのかが不安で、毎日が長いです。
他に何か出来ることが有れば具体的に教えていただけると嬉しいです。
長々となって申し訳ありません。
メルマガ、また楽しみにしています。
よろしくお願いします。
(Sさん)
Sさん、旦那さんとの関係やお子さんの不登校など、大変な中お便りありがとうございます!
ショックな状況の中、自分にも非があったと真摯に振り返り、旦那さんのために自分の行動を変えていこうとされている姿勢、
本当に尊く、Sさんの大きな愛を感じます。
まず、お便りの最後のご質問から始めていきますね。
>他に何か出来ることが有れば具体的に教えていただけると嬉しいです。
というご質問だったのですが、
とても意外に思われると思いますが、実は、今の段階でSさんにお勧めしたいのは、
敢えて何もせずに、基本は放っておく
ということです。
これも、「信頼して任せる」ということになるんですけれども。
順番にお話していきますね。
もともとあまり自信がないタイプの旦那さんは、「稼ぎが悪い」自分を不甲斐なく思い、「俺が悪い」と、罪悪感を感じてもいらっしゃるかと思います。
それに加えて、離婚を切り出す側って、実は罪悪感をすごくたくさん感じるものです。
切り出したことで、自分が相手をとてつもなく傷つけていることを、心の底では分かっているんですね(そうは見えなくても、また、本人に自覚がなくても)。
すると、Sさんが愛や感謝を伝えようとされていること自体は本当に尊いことなのですが、
実はそれが、「こんな酷い人間の俺のせいで、妻がこんなにも気を遣っている」と、
旦那さんの罪悪感をさらに刺激することも多いのです。
また、Sさんの中には、
これくらい愛や感謝を伝えれば、自信をつけてくれるかな、私の思いも伝わるかな(そうでないと困る)
という
「期待」とか「コントロール」
も、ちょっとあるかもしれません。
これだと、残念ながら「信頼」とは逆のことになってしまうんですよね。
で、この、期待とかコントロールというのは、(どこまでやってあげればいいの?!)みたいな「重たさ」になることも多く、
それが旦那さんに伝わって、また罪悪感を刺激したりもします。
そして、旦那さんの方は、罪悪感を感じれば感じるほど、その場から逃げ出したくなってしまいます。
(期待もコントロールもなく、感謝や大好きという思いがつい出てきちゃうだけ、なので旦那さんの反応は全然関係ない、という時はまた全然別なのですが。)
なので、旦那さんの↓のような反応
>が…触れさせてもくれなければ、話しかけてもくれないし、私が話すことにはほぼ無反応。
>愛や感謝を口にしてみても嫌そうな顔をされるだけ。
も、この罪悪感による部分も結構あるのかなと思うのです。
(それから、「今更」と「拗ねている」部分とか、
一度拳を振り上げた手前、愛とか感謝で返されたら、拳のやり場が分からず「困っている」部分もあるかもしれません。)
なので、今の段階で、旦那さんのためにいろいろ頑張って働きかけてあげることは、
Sさんをさらに消耗させ、旦那さんの態度をさらに頑なにすることにもなり兼ねないんですね。
なので、最初にご提案した、
今は敢えて何もせずに、基本は放っておく
ということになっていくのですけれども。
でも、
そしたら、今やること、できることは何もないの?
何もしなかったら、本当に離婚することにならない?
と思われるかもしれませんが、実はそんなこともありません。
旦那さんも「今すぐ」と言っているわけではないですし、そもそも離婚てとても時間がかかるプロセスです。
時間的な余裕は意外とあるんですね。
その時間の中で、できることはたくさんあります。
その「できること」として、今は、旦那さんに働きかけるよりも、
これまでたくさん頑張ってきて、たくさん傷ついてもいる、Sさん自身に目を向けていきたいのです。
お便りで、
>やっぱり主人の言動に一喜一憂してしまい、どうしても一人落ち込み涙することもしょっちゅうあり、常に主人のことが頭の中にあります。
と書いてくださいました。
切り出された方は、どうしてもこんな風に振り回されてしまいますよね。
これ、表面ではどんなに気丈にしていても、実は本当につらいと思うのです。
自分を全て否定されたかのようにも感じていらっしゃるかもしれません。
ちゃんと睡眠は取れているでしょうか?食事はできていますか?少しでもリラックスできる時間を作れていますか?
Sさんに、今やっていただきたい大切なことの一つは、
今「旦那さん」にすべて注がれているSさんの意識・エネルギーを、「自分」に戻すこと
なんですね。
しっかり睡眠を取って食事もして、と、身体のケアをすることもそうだし、
落ち込んでしまう時に、誰かに頼って話を聞いてもらってその思いを吐き出し、心のケアをする、というのもありです。
また、良き母やお手本として、正しい姿であろうとして頑張ってこられた中では、
だいぶ無理や我慢も重ねてこられたのでは、と思います(無理と感じないほど麻痺しているかもしれませんけれども)。
それをちょっとお休みして、思う存分だらけてみたり、お子さんたちに頼ってみたり、
実は今まで我慢してきた本当は好きなことがあれば、それをやってみるのも、とてもありです。
もし、Sさんがだらけたり好きなことを始めると、何かが回らなくなるなら、そこで必要な助けをまた誰かに求めます。
(そんな風に自分を緩めるようになったら、不登校の子供がなぜかまた学校に行き始めた、というお話も良くあります。
もちろん、実際のところは詳しくお話をお聞きしないといけませんが)
嫁いで17年経つのに、まだ10年くらいにしか感じられないほどに、必死だったのです。
並大抵のことではなかったはずです。
その頑張りの価値を自分で認め、それだけ頑張ってきた自分を、労わってあげるのです。
今は、そうやって、自分にエネルギーを向け、自分に意識を集中して、自分を少しずつ満たしていきます。
そして、旦那さんの様子に振り回されずに、「私は私で普通に大丈夫でいられちゃう」くらいの「余裕」をまずは作りたいんですね。
これは、「夫は夫で、自分で自分の問題を解決できる」と「信頼する」ことでもあります。
また、「私は私で幸せになることができる」と、自分を「信頼する」ことでもあります。
また、「物事は、どう転んでもなるようになっていく」ということを「信頼する」ことでもあります。
そうやって作っていくSさんの「余裕」が、
結局は、罪悪感に苦しんでいる旦那さんに「余裕」を与えることにもなり、
それだけで、膠着した現実が動きやすくなることもあるんですね。
もちろん、今のこの現状で、自分に意識を向けて自分を満たす、なんて、なかなか考えづらいと思います。
でも、今のSさんには本当に大切なことなので、できることからやってみてください。
今はまず、旦那さんのことより、Sさんが今まで無視してきたSさん自身に目を向けてあげる。
旦那さんを深く愛しているからこそ、です。
そんなにも人を愛せる自分自身に、自信を持ってみてくださいね。
で。
そうやって余裕を作りながら、
そもそも、なぜこういう状態になったのか?
というところも、冷静に(余裕を持って)考えていきます。
ここはお話を詳しくお聞きしたいところですが、Sさんも反省していらっしゃるように、
旦那さんを充分構ってあげなかったり、また、Sさん一人で何でも抱え過ぎることで、
旦那さんが寂しい思いをしたり、活躍のチャンス(自信をつける場)が持てなかったり、
ということもあったかもしれません。
で、そこで、
「じゃ、今から充分構ってあげよう、自信をつけてもらえる言葉をかけよう、それで旦那さんの気持ちを変えよう」とすると、
これはやっぱり旦那さんへの「コントロール」になってしまって、「信頼」になりにくいんですよね。
なので、ここでも、Sさん自身の背景やパターンを見ていったりします。
例えば、お便りに、「意地を張らず、愛と感謝を伝えよう!」とありましたが、
素直に愛されたり頼ったり、ということに抵抗がある(あった)のでしょうか?
また、一人で何もかも抱え込むようなパターンから分かることもたくさんあります(これもある意味意地を張っている状態ですね)。
ここにはSさんが育ってこられた環境も大いに関わってきますね。
それから、旦那さんの「愛着障害」のお話から分かるところもありそうです。
「安全基地」にならなければ、というSさんの大きな愛情にも本当に感動します。
ちなみに、この「安全基地」は、「親」とか「養育者」の理解で良いでしょうか?
これは、相手が子供の場合はそれで良いのですが、
Sさんと旦那さんのように成人の場合、Sさんが「母親」で、旦那さんが「息子」というポジションになってしまい、
対等な大人の男女のパートナーシップになりづらい恐れもあります。
なので、「安全基地」にしても、
Sさんと旦那さんがより対等で、自信をつけることを含めて旦那さんの解決力を信頼して任せてあげる、というあり方
の方が良いかもしれません。
…と。
いうわけで。
本来はセッションを重ねながら、少しずつ腑に落としていくことを、一気に書いてみましたが、
いかがだったでしょうか?
離婚の話題が出てくるのって、
今までのあり方が限界を迎えているので、新しく、自分の、お互いのあり方を作っていくタイミング
であることを示しています。
その意味では、Sさんは今、大きな変容のチャンスを得たところ、とも言えます。
「変容」でなければ、今まで我慢したり隠してきた「本来の自分」を開いていく、ということでもあります。
そんな大きな節目なんだな、と思ってみてください。
ただ、大変なタイミングであることには変わりませんよね。
まずは、自分に意識を戻して、既にこんなにも頑張ってきた自分を労わり、大切にしていくことから始めていきましょう。
だいじょうぶです、Sさんにも旦那さんにも、ハッピーな将来を作っていく力はありますよ!
それからもちろん、もし良かったら、いつでもお話聞かせてくださいね!
心を込めてサポートさせていただきます♡
Sさんが、心穏やかに過ごせる日が来ますように。
いつも、応援しています。
お便りどうもありがとうございました!
*
閑話休題。
こういう何気ない風景って良いですね♡