今回は、
「ありがとう」は受け取れていますか?
というタイトルでお話してみようと思います。
先日の記事で、
「ありがとう」の代わりに「すいません」と言ってしまって相手の厚意とか褒め言葉が受け取れない頑張り屋さん
について書きましたが、今回は逆に、
相手からの「ありがとう」をそのまま受け取れますか?
という話です。
「ありがとう」への答え方って、日本語で一般的なのは「いえいえ」「とんでもない」じゃないかと思うんですね。
「いえいえ(そんな大したことはしませんでしたので、お礼には及びません)」
「とんでもない(以下同文)」
のように、日本語らしい謙遜の表現だと思います。
この表現が何をしているかと言うと、一つにはもちろん、
「私があなたにやったことには大した価値はありません(だから、「ありがとう」なんて私にはもったいないです)」
と言っているんですよね。謙虚な頑張り屋さんぽいと言えばそうかもしれません。
でもこうやって答えている時、結局自分に対しても「自分がやったことには大した価値はない」と伝えていることになります。これはどうしても自己価値感を下げてしまいます。
なので、日ごろから自分の価値を落とすことは止めていきましょう、自分の価値をどんどん見つけて感じていきましょう、とお話している私としては、
「あなたに喜んでもらえて嬉しいです」
と、相手と一緒になって自分のやったことの価値を認めてあげることをおすすめしたいな、と思うのです。
でもこれ、普段から高い能力を活かして活躍している頑張り屋さんは、お仕事の場では普通にやっている方も多いのでは?と思います。
お礼に対して「とんでもない」と自分の仕事の価値を卑下してしまっては、むしろ信用に傷がつくこともありますからね。表現はいろいろあると思いますが、例えば
「光栄です」
「何よりです」
「お役に立てて良かったです」
などの表現で、自分も自信を持って価値ある仕事を提供しているし、それを喜んでもらえて嬉しい、というのをコミュニケーションしている方は多いと思います。
でも、仕事の価値なら自分でも認めやすいけど、プライベートは話は別!なんですけどね!
話は別、なんですが、ここはちょっと意識して、大いに照れながらも「喜んでもらえて嬉しい♪」を選んでみてください。
その積み重ねが、自分で自分に価値を感じることに繋がっていきます。
それから、ここには一つ、またちょっとトリッキーなことがあります。そしてこれの方が大事かもしれません。
それは何かというと、
純粋に相手を喜ばせたいから、ではなく、「これくらいやっとけば嫌われないかな?ちょっとは好かれるかな?」という、恐怖に基づいたご機嫌取りのような埋め合わせのような動機で何かをしてあげる時
です。
こういうときは、「ありがとう」と言われても言われても受け取りにくいことが多いです。
なぜかというと、せっかく「ありがとう」と言われても、そこに感じられるのは相手の喜びではなく、自分の「良かった、嫌われてない、これでしばらくは自分の居場所が確保できる」といった安心感ばかりになってしまうからです。
この時、この行為には、相手の役に立つことについての自分自身の喜びが含まれていないんですよね。なので、「ありがとう」も受け取れないのです。
また、逆にお礼がなかったりすると、「こんなに頑張ってるのに『ありがとう』の一言も言えないの?!」とキレたくなったりもします。私には居場所がもらえないの?嫌われちゃうの?という恐怖がそこにあるからですね。
動機によって、こんなにも感じ方が変わってくるんですね。
こんな時おすすめしたいのは、「私はなんでこれをやっているだろう?」という視点です。
つまり、「私はこの人が喜ぶ顔を純粋に見たくてやっているのかな?嫌われるのが怖くてやっているのかな?」ということですね。
嫌われないように、自分が至らない(と思っている)ところを補うために、恐怖が出発点になって何かをするときは、「ありがとう」が受け取りにくいです。それから、そもそもなぜかそれほど喜ばれず、フラストレーションが溜まるなんていうこともあります。
これはやっぱり苦しいですよね。
逆に、純粋に相手を喜ばせたくて何かをした時は、相手からの「ありがとう」は自分の心からの喜びになり、全身で受け取れます。
それは自分に自信をつけてくれるし、自己価値をどんどん感じられるようにもなります。
意識してこちらを選んで、「ありがとう」を喜びとともに受け取れる自分になっていきたいですね。
というわけで。
「ありがとう」は「喜んでもらえて嬉しい♪」と照れながら受け取りましょう。
そして、何かの行動をするときは、その動機の中にある「自分の喜び」の純度を高めていきましょう。そうすることで、「ありがとう」を全身で受け取る価値のある私、になっていけますよ♪
というお話でした。
参考になればうれしいです。
*
閑話休題。
運河の上にお花。
この季節は、平日でも運河で船遊びをする人がたくさんいます。運河の水は実のところそんなにきれいじゃないんですが(笑)、ワインを飲みながら運河遊びなんて優雅ですよね!