上司に対して、
理解してほしい、真剣に考えてほしい、という
怒りや不満をぶつけてしまい、
まだその衝動があって困っています。
どうしたら、上司への怒りや不満が起きないようにできますか?

自分迷子な大人女子さんに、「わたし」を生きる最高のよろこびを。
オランダ在住カウンセラー、コバヤシアキコです。
オンラインカウンセリングサイト「ココロノマルシェ」に
寄せられたご相談にお返事します。
上司って、自分の親を「投影」することがあります。
そんな視点でお返事してみました。
◆ご相談:「感情をぶつけたくなった時の対処法とよい関係を築く方法について」
感情をぶつけたくなった時の対処法とよい関係を築く方法について
元々話すのが得意でなく聞き手になることが多く、40年間ずっと、周りの人には、いつも穏やかとか癒し系だと言われてきました。実際には、自分の感情に気づくのが遅く、その場では何も感じず後で怒りがわいてくるため、相手に感情をぶつけることがあまりありません。
後からわいた怒りをわざわざぶつける相手は、夫しかいませんでした。
ところが最近、上司に対して、自分の怒りや不満をぶつけてしまいました。仕事において自分のことを正しく理解してほしい、自分の成長について真剣に考えてほしいという気持ちからです。上司はある程度受け止めてくれたように思うのですが、それ以来、上司に気持ちをぶつけたい衝動に駆られることが何度もあり、困っています。
考えた結果、私は、相手に対して好きな気持ちが大きいほど、感情をぶつけたくなるタイプのようです。好きな相手には自分をわかってほしくて感情的になるようです。上司のことをとても尊敬している自覚はありましたが、それだけでなく、とても好きになっていることに気づきました。なので、上司に対して怒りや不満の感情が沸き起こる度に、「私って上司のことすごく好きなんだな」と自分に話しかけることで、なんとか気持ちを落ち着かせようとしています。
そもそも上司への怒りや不満が起きないようにする方法はないでしょうか?上司に対する甘えだと思うんです。上司は立場は上ですが同年代なので、サポートし合える関係を目指していて、今のような、怒りをぶつけて甘えてしまっている状況を変えたいと思っています。アドバイス頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
(きこさん)
きこさん、こんにちは。
オランダ在住カウンセラー、コバヤシアキコと申します。
きこさん、上司さんに気持ちをぶつけたい衝動について、
上司に対する甘えだと思うんです。
と気づいていらっしゃるのがすごいなぁ!と思いました。
ご自身を冷静に観察できる、成熟性や感性をお持ちなんですね。
では、上司さんへの怒りや不満が起こらないようにするにはどうすれば良いか、
ご一緒に考えてまいりましょう。
私からのお返事では、ご両親との関係に注目してみましたよ。
私のお返事はこちら↓です。お役に立てれば嬉しいです♡
◆上司さんへの「好き」は、どんな「好き」?
まずは、ご相談文できこさんが書いてくださった、ここ↓からいきましょう。
考えた結果、私は、相手に対して好きな気持ちが大きいほど、感情をぶつけたくなるタイプのようです。好きな相手には自分をわかってほしくて感情的になるようです。
これまた、きこさんはご自身を冷静に見つめていらっしゃってすごいなぁ、
と思ったところなのですが、
おっしゃる通り、
「相手を好きな気持ち」「好きな相手」
というのが、ここでのカギになりそうですね。
では、この、「好き」です。
「好き」にもいろいろあると思うのですが、
きこさんの、上司さんへの「好き」は、どんな「好き」だと思いますか?
例えば、異性に対してドキドキするような、「好き」?
それとも、子供がお父さん・お母さんを求めるような、「好き」?
私は、もしかすると、
子供がお父さん・お母さんを求めるような、「好き」の要素が大きいのかなぁ、
なんて思っておりました。
◆上司さんに、お父さん(お母さん)を投影して、「甘えて」いる?
というのは、こんなふうに↓書いてくださいましたけれども、
仕事において自分のことを正しく理解してほしい、自分の成長について真剣に考えてほしい
好きな相手には自分をわかってほしくて
ここで書いてくださった、
- 「理解してほしい」
- 「真剣に考えてほしい(自分に真剣に向き合ってほしい)」
- 「自分を分かってほしい」
というのは、子供が親に求めること、でもあるんですよね。
つまり、
きこさんの、上司さんへの「好き」は、お父さん(お母さん)を求める気持ちに近く、
きこさんが上司さんにぶつけたくなる怒りや不満は、
元はと言えば、きこさんがお父さん(お母さん)に感じていた気持ちだったのかも?
つまり、
きこさんは、上司さんにお父さん(お母さん)を「投影」し、
お父さん(お母さん)にぶつけたかった(受け止めてほしかった)気持ちを、
今、上司さんにぶつけたく(受け止めてほしく)なっているのかも?
なんてことが、実は心の動きとして考えられるのです。
再度の引用となりますが、
上司に対する甘えだと思うんです。
「甘え」ってまさに、「子供」から「親」に対する態度ですよね。
つまり、
元はと言えば、お父さん(お母さん)にぶつけたかった「甘え」を、上司さんに対してぶつけている、
ということなのかもしれません。
ちなみに、
上司はある程度受け止めてくれたように思うのですが、それ以来、上司に気持ちをぶつけたい衝動に駆られることが何度もあり、
というのは、
実際にぶつけて、ある程度受け止めてもらえる経験をしたことで、
溜め込んでまだたくさん残っている思いの堰が切れたような状態になって、
「やっとこの思いが受け止めてもらえた!それならまだまだ残っているから、もっとぶつけたい、もっと受け止めてほしい」
みたいに感じるのかもしれません。
もう一つちなみにお話すると、
もしかすると旦那さんにも同じように、お父さん(お母さん)を投影して、
後から湧いた怒りを受け止めてもらおうとしてぶつける(甘えている)、
ということになっているのかもしれません。
そしてもう一つちなみにお話すると、
これまで、怒りや不満をぶつけるのは旦那さんだけだったのは、
旦那さんときこさんの心の距離が、お父さん(お母さん)を投影するくらい近いからかなと思うのですが、
上司さんに対しても同じ傾向が出てきたのは、上司さんへの心の距離もだいぶ近くなっているのかもしれません。
とても好きになっている
ということですしね。
そんなところが、今のきこさんに起こっているのかなぁ、と考えてみましたが、
そう言われると、どんな気分がするでしょう?
◆「甘え」からくる「怒り」や「不満」をなくすには?
そう考えると、ご相談の、
そもそも上司への怒りや不満が起きないようにする方法はないでしょうか?
というのも考えやすくなります。
上で想像した通り、
上司さんに対する怒りや不満(甘え)は、もともとはお父さん(お母さん)に感じていたものと考えられます。
ということは、
お父さん(お母さん)に感じていた怒りや不満(甘え)を解消していけば、
それを上司さんに投影してぶつけることもなくなる、
ということになります。
もともときこさんは、お父さん(お母さん)に対して、
- 「理解してほしい」
- 「真剣に考えてほしい(自分に真剣に向き合ってほしい)」
- 「自分を分かってほしい」
といった思いを持っていなかったでしょうか?
そして、それが叶わなくて寂しい思いをしたり、それを溜め込んでいたり、ということはなかったでしょうか?
そんな、ご自身の中にある、お父さん(お母さん)に対する思いと繋がっていくんですね。
それができればできるほど、上司さんに気持ちをぶつけたいという衝動も収まっていくし、
上司さんとの、現在の「疑似親子」的な近さの心の距離を、
二人の自立した、プロフェッショナルな大人同士としての、適切な距離感に戻すこともできるようになると思います。
◆もしかすると、「我慢」がクセになっているでしょうか?
とはいえ、
もしかするとこんなこともあるかな?と考えたことがまたありまして。
きこさんはご相談文でこんなふうに書いてくださいましたが↓、
自分の感情に気づくのが遅く、その場では何も感じず後で怒りがわいてくる
自分の感情に気づくのが遅く、その場では何も感じない、というのは、
もしかすると、ご自身の気持ちや言葉を我慢して飲み込むのがクセになっていたりするでしょうか?
そして、もしかするとそこには例えば、
お父さん(お母さん)が高圧的で、きこさんの意見などを抑えつけられることが多かったとか、
逆にむしろ無関心で、あまり耳を傾けてくれることがなかったとか、
そんな背景があったりするでしょうか?
だとすると、
- 「理解してほしい」
- 「真剣に考えてほしい(自分に真剣に向き合ってほしい)」
- 「自分を分かってほしい」
みたいな気持ちが、今もきこさんの中に溜まっているのも、ごく自然なこととしてより理解しやすくなりますが、
同時に、上でご提案した、
ご自身の中にある、お父さん(お母さん)に対する思いと繋がっていく
ということをやろうとしても、そもそもその「思い」がなかなか出てこない、なんてこともあるかも?
しれません。
そんな時は(そんな時だけじゃなくて良いのですが)、
手前みそにはなりますが、カウンセラーを相手に話してみるのは、やはりおすすめです。
私は個人的に、お客様の中に眠っている(溜まっている)感情や感覚を掘り起こして言語化するのが得意なカウンセラーでして、
お手伝いできることはたくさんあるんじゃないかと思います。
◆とっても応援しています♡
「甘え」というのは、ともするとプライドなどが邪魔をして相談しづらく感じかねない話題ですが、
尊敬する上司さんと、サポートし合える関係を作りたい、と、
ご自身の甘えについて正面からご相談くださったきこさんは、やはりとても成熟したマインドをお持ちだと思うんですよね。
そんなきこさんが、ご自身の怒りや不満を正しく理解し、受け止め、解消し、
上司さんとも、さらにプロフェッショナルな関係を作っていけますよう、
私も心から応援しております。
よかったら、お手伝いさせてくださいね!
ではでは、お読みいただき、ありがとうございました♡
コバヤシアキコ
今日の一枚。
夏の終わりの風景。