今回は、
「いい人」が「怒り」と上手に付き合う方法(2)怒りのコミュニケーション法とその他の選択肢
というタイトルで、前回の続編をお送りします。
(ところで、ここ何回か「怒り」とその周辺をテーマに書いてますが、そうすると心が「怒り」にフォーカスするのでなんだかとても身体が重いです。
改めて、心と身体って繋がってるんだ!と実感するのと同時に、だからこそ、日ごろから「楽しい」「嬉しい」「幸せ」のような感情に意識してフォーカスしておくのって大事なんだわ…と再確認しましたね。
なので次回以降のメルマガは何か楽しくなっちゃうテーマが良いなと考えています。リクエストなどあればぜひお知らせください♪
あ、でも「怒り」もすごく大切なテーマですし、今回もきちんと書きますよ!)
というわけで、本題に行きましょう。
前回は、
- 「怒り」は悪いものではなく、「喜び」とかと同じごく自然な感情
- 感じた怒りを無理やりないことにすることはできない
- 「怒り」のさらに奥にある本当の気持ちに気づくことが、「怒り」と上手に付き合うためのカギ
というところまでお話しました。
ちなみに、この記事から読んでくださっている方は、「怒り」の奥にある本当の気持ちって何?と思われているかと思いますので、まずはそこから。
先日のメルマガで例として、デリカシーがちょっと足りない学生時代の友人とのやり取りをご紹介したんですね。
この友人から、私が良かれと思ってやっていたネックレスのつけ方について「絶対変だよ」といちゃもんをつけられて強い怒りを感じたという話でした。
で、この時私が感じた怒りのさらに奥には、「私のセンスが否定されて悲しい」という気持ちがあったのでした。つまり、「怒り」のさらに奥にある本当の気持ちは、この「悲しさ」だったのです。
この、「本当の気持ち」に気づくのは、怒りと上手に付き合ってコミュニケーションするために本当に大事です。
なので、怒りを感じたときは是非、「その奥にある本当の気持ちは何だろう?」と考えてみてください。
例えば「さみしさ」とか「愛されていると感じたい」とか「落胆」などの気持ちが見つかるかもしれません(これらも突き詰めれば「悲しさ」なんですが)。
ちょっと練習は必要ですが、これができるようになると本当の意味で冷静になれるし、「怒り」に振り回されないようになるのでとても快適です。
というわけで前置きが長くなりましたが、今回は、怒りのさらに奥にある本当の気持ちが分かったら、次はどんな行動を選ぶか?というところを考えてみます。
- まず、一番わかりやすいのは、この「本当の気持ち」を伝える、コミュニケーションするというのがありますね。
- それから、「悲しい」などの気持ちにさせてくるような相手からは距離を取る、というのも可能です。(私が上記の友人について選んだのはこれでした)
- そして、デリカシーのないいちゃもんにはびくともしないくらいの自信をつける、というのもとてもありです。
さらにはこの全部をやっちゃうのもありですね。
順番に見ていきましょう。
1.「悲しい」などの本当の気持ちを伝える
つまりはこれが「怒りを上手にコミュニケーションする」ということになります。これは、パートナーシップなどこれからも深め続けたい関係性の中ではとても有効だし、一番重要と言っても良いかも。
ここで超大事なこと。
伝えるべきは、「私は悲しいと感じた(私の気持ち)」であって、「あなたの言動はデリカシーがなさすぎる(相手への批判)」ではありません。
「私は悲しいと感じた」ことは、自分にとっても相手にとっても真実です。なので、相手もそれを否定することはありませんし、理解もしやすいでしょう。そうすると、「怒り」のコミュニケーションがずっとスムーズになります。
これが、怒り(の本質)をコミュニケーションするときに一番大事なことですね。
一方、やってしまいがちなのが、「あなたの言動はデリカシーがなさすぎる」を伝えるということ。つまり相手への批判ですね。
「あなたのその言い方は何よ!」とか、もっとひねりを利かせて「だってどうせ私の気持ちなんか分からないでしょ?」なんかもこれに入ります。
これだと、「本当の気持ち」を伝えるのではなく「怒り」そのものを爆弾にして直接相手に投げつけることになります。すると相手も攻撃されたと感じて応戦してきますから、戦争は激化するばかりです。
こんなふうに相手を批判するのではなく、上でお話したように、その怒りの奥にある本当の気持ち、例えば「理解されたい(繋がりを感じたい・さみしい)」ということを、シンプルに伝えるようにします。
練習は必要ですが、これができるようになると「怒り」が上手にコミュニケーションできるようになるので、怒ることを必要以上に怖れなくなりますよ♪
ちなみに、たとえ「私は悲しい」と伝えたとしても、結果としてそれを相手が理解したり受け入れてくれるかは分かりません。なので、相手に理解させることを目的にするとさらに悲しい結果になることもあります。
本当の気持ちを伝えることの目的は、上記のようにコミュニケーションをスムーズにすること以外にも、自分が自分の「悲しい」という気持ちを無下にしないという意思表示を、自分自身に対してすることもあります。それが自分を大事にするということにもつながります。
なのでこの目的は見失わずにいたいですね。
とはいえ、そうやって自分が自分の気持ちを大事にする行動をしていると、結果として相手からの心無い言動が減る、ということは充分にあり得ます。なのでやっぱり自分の本当の気持ちを大事にする・丁寧に伝えるということはとても大事です。(でも繰り返しですが、相手が変わることを期待して行動してもそれはあまり叶わないことが多いです。)
それから、もし、こちらの気持ちを丁寧に伝えても全く理解することなく、同じようなデリカシーのない言動をし続ける相手なら、「やっぱりこの関係は上手にフェードアウトしよう」と選ぶこともしやすくなりますね。
2.そういう悲しい気持ちにさせてくるような相手からはさくっと距離を取る
私が学生時代の友人について選んだのはこのアプローチです。私は敢えてコミュニケーションを取ることはせず、距離を取ることを選んだのでした。
これは、家族とか職場の同僚のような相手だと選ぶことに抵抗を感じることも多い選択肢ですが、学生時代の友人などのようにフェードアウトしやすい相手ならやりやすいですね。
「怒りを感じるのは自分の器が小さいから」みたいに感じる良い人な頑張り屋さんは、この「さくっと距離を取る」ことに罪悪感を覚えがちで、つい「私がもっと頑張って上手に怒りをコミュニケーションできるようになれば良いんだから」とやりがちです。
でも、無理に頑張らなくて良いのですよ。
その人といるとどうしても不愉快になることが多いなら、さっさとその関係から去って、もっと心地良い人と一緒に過ごすことを選んで良いのです。それもまた、自分の本当の気持ちを大事にすることになります。
それから、家族や同僚にはいろんなしがらみがあって、なかなかさくっと距離を取るのは難しく感じますが、それでも一番大事にすべきは自分の気持ちです。距離を取ることで自分を守れるなら是非距離を取ってくださいね。
3.デリカシーのないいちゃもんにはびくともしないくらいの自信をつける
そして最後はこれです。
例えば私の場合は、自分で良いと思ってやっていたネックレスのつけ方に友人からいちゃもんをつけられて怒りを感じたわけです。
つまり、
- 私もそこそこ自分のセンスに自信があったから、いちゃもんをつけられてプライドが傷ついた、ということでもあるし、
- でも、いちゃもんをつけられると途端に折れちゃうくらいにはもろい自信だった、ということでもあります。
ということは、ちょっとやそっとのことでは折れないくらいの自信をつける!というのも、そもそもの怒りを感じなくするために有効な手段なんですよね。
この「自信」ですが、「みんなが恐れをなすようなそびえ立つ自信」というよりは、「そお?でも私はこれが好きなの☆うふふ」と相手からのいちゃもんが右から左に軽やかに聞き流されていて、相手の言うことなんかてんでどうでも良い感じです。
つまりは、自己肯定感、ですね。
これができるようになると、微妙に距離を取りづらい職場などの人間関係もすごーく楽ちんになります。なのでこれは身に着けて損はないですね。
私は個人的にこの方法はとても好きですね、自信がついてくるプロセスがとても楽しいのです(←やった!ちょっと楽しげなことにつながった!笑)。今も日々、これには楽しく取り組んでいます♪
というわけで、またちょっと長くなってしまいました!ここまで読んでくださった皆さま、ありがとうございます!
「怒り」は誰も感じたい感情ではありませんが、コミュニケーションを豊かにしたり自信をつけるきっかけになったりと、上手に付き合うとたくさんの恩恵を得ることができます。
是非恐れずに、気長に付き合っていきましょう♪
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閑話休題。
アムステルダムには路面電車が走っています。
オランダは市内の移動は基本自転車ですが、私はオランダでは自転車乗らないので(怖くて笑)、いつも路面電車にはお世話になっています。
日本ではどこの街に路面電車がありましたかね?