今回は、
頑張りをやめた時に必ず来るであろう自分への反動について
というタイトルで、前回の記事「『私はこんな仕様なの♪』で人間関係は相当楽になる」に頂いたお便りにご返信したいと思います。
(だいぶ長くなってしまいましたー!)
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初めまして、Kと申します。
動画、メールマガジン、楽しく拝見させて頂いています。
ちょうどもっと自分らしく生きたいと思っていたところでしたので、
いろいろと参考になりました。
長女という事もあり、まあ頑張って今まで来たと思いますが、
その頑張りをやめた時、他人はいいですが、家族に影響してきました。
家族と言っても歳の離れた主人だけで、子供はいません。
主人は性格が難しい、そして年齢差もあってか、
仲良くいるためには、私の努力が必要でした。
それでももう15年ほど一緒にいられたのは、生活時間がすれ違い
だったようで、コロナのお陰で主人と過ごす時間が増え、
自分の時間も取れなくなってきてしまいました。
そこで自分はもっと自由になりたいという思いも
強くなったのですが、今まで自分がなかなか前に進めなかったのは
主人に気を遣っていた事が大きいと、気がついてしまいました。
夫婦とはそんなものだと言われればその通りですが、
私はもっと楽に生きたいです。あと数年で60になります。
このままで行くと離婚という選択肢になってしまいそうですが、
70の主人を放り出すのは可愛そう。
という事で、話が長くなりましたが、頑張りをやめた時に
必ず来るであろう自分への反動について、ご意見をお聞きできればと
思います。
ではでは
どうぞ宜しくお願い致します。
(Kさん)
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お便りどうもありがとうございます!とてもとてもやる気になります☆
さてさて、
「頑張りを止めた時に必ず来るであろう自分への反動」。
これは、
「頑張り屋さんが自分に立ち返る」
時に避けて通れない問題かもしれません。
本当はもっと自分に正直に、自分らしく生きたい。
でも、そうした時の周り(夫)への影響を考えると、罪悪感が大きくてその一歩が踏み出せない。
「反動」とは、この罪悪感なのだと思います。
実は、意外かもしれませんが、この罪悪感は、頑張りを止めるから感じるのではありません。
もともと何かしらの罪悪感があるからこそ、相手が誰であれ、それを償うためにたくさん気を遣って色んな努力をして頑張っちゃうのです。
なので、頑張ることをやめると、もともとあった罪悪感が頭をもたげてくるので困ってしまうのですね。
なので、Kさんのケースでも、
そもそも、ご主人だけでなく誰に対しても気を遣ったり、自分を後回しにしたりする傾向はあるのでは?
そして、
もしご主人の性格がそれほど難しくなく年齢も近かったとしても、程度の差こそあれ、やはり何かしらつい気を遣ったり努力をしていたのではないかな?
と思いましたが、どうでしょう?
(ちなみに、この「罪悪感」は自分で意識できるものもありますが、意識できない心の奥に眠っているものの方がずっと多いです。なのでこの話も今は全然ぴんと来ないと思いますが、そういうものなのか、と思っておいてください。)
で、そうやって頑張れている間は良いですが、その頑張り・努力は、Kさん本来の「自由が好き」という「仕様」を知らないうちに犠牲にしてきたわけですよね。
そうやって、本来の自分の姿を犠牲にする生き方は、やっぱり遅かれ早かれ限界を迎えます。
そして、何かをきっかけにして、
「うーん、やっぱり、もうちょっと自分の『仕様』を大事にして生きたい気がする…」
という思いが意識に上ってくるようになります。
Kさんの場合、そのきっかけが今回のコロナだったというわけですね。
さて、じゃ、どーすりゃいいのよ?!という話です。
大元に「何かしらの罪悪感」があるのでそれを掘り下げるとか、ご主人との関係をさらに掘り下げて理解してみるというのは、王道のカウンセリング的なアプローチです。
そこでは個人セッションなども検討されても良いかもしれません。
また、ご自分でできることもたくさんありますよ。
まず、生活時間のずれに助けられたとはいえ、性格が難しく年も離れたご主人と仲良く過ごすための努力を15年間もしてこられたんですよね。
さらっとおっしゃっていますが、それって本当にすごいことだと思いませんか?2~3年ではなく、15年、です。
そこだけ見ても、Kさんはそれだけ成熟した豊かな包容力や愛情や柔軟な思考力など、たくさんの魅力や才能がある方だということが分かります。
ご主人は、きっとKさんからたくさんの安心感や居心地の良い居場所を受け取ってこられたのだな、とも思いました。
これはKさんの魅力や価値のほんの一部ですが、まずはこんな風に、ご自分の魅力や成し遂げてこられたことの価値を、自分で認めてあげてくださいね。
ここには謙遜も卑下も何も要りません。
「そうかぁ、私、結構すごいことをしてきた、すごい人らしい!」
と、ご自分のために思ってあげてください。
それから、
自分らしく生きたい
楽に生きたい
自由に生きたい
これらの本音を大切にすべく、少しずつ実現してあげたいですね。
今の環境の中でも自分の時間を作ったり、今まで気を遣ってきた場面にもうちょっと本音を混ぜてみたりすることは可能です。
「それができないから困っている」と感じていらっしゃるのはもちろん理解しています。
そこでの前提は、「それはできない」ですよね。
でも今試したいのは、「それをやるとしたら」という前提を持ってみることなのです。
今の状況で自分の時間を作るとしたら、どんなやり方ができるかな?
今の状況でもっと楽に生きるには、どうすればいいかな?
今の状況で自由を感じるには、どんな風に過ごせばいいかな?
こんな風に、「今、それをやるとしたら」という前提で考えてみてください。
人生に関わるような大きなことをする必要はありません。今の5分、10分とか、ある日の午後の過ごし方とか、そこから始めます。
もちろん、ご主人と正面衝突のケンカをしましょう!という訳ではないですよ。むしろ、今はとりあえずご主人は横に置いておいて、「今」の「自分」に意識を向けるのです。
そしてこれは、離婚を避けることをおすすめしているのではありません。
離婚するかどうかは「今」はあまり重要ではないんですよね。
「今」大事なのは、
ようやく気づけた「Kさんの仕様」をどうやって尊重するか
どうやって「今」のKさんが幸せを感じる時間を増やすか
なのです。
その結果、離婚という結論になるのかもしれないし、むしろ夫婦のコミュニケーションが深まっていくのかもしれないし(これも大いにあり得ることです)、それは「今」は分からない、ということなのです。
(ちなみにこういうところでのサポートも、個人セッションでももちろんできます。)
というわけで、まずは「今」、「Kさんが自由や幸せを感じるために」できること、に意識を注いでいきましょう♪
ということをおすすめしたいなと思います。
参考になればうれしいです。
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閑話休題。
夕方、街灯がつき始める時間て良いですね☆