「自分だけ幸せになっちゃうのが申し訳ない」という心の罠の話

今回は、

「自分だけ幸せになっちゃうのが申し訳ない」という心の罠の話

というタイトルにしてみました。

これも結構たくさんの頑張り屋さんが知らないうちに心の中に隠し持っているパターンじゃないかと思うんですよね。

 

例えば、親が苦労しているのを見て育った場合。

「両親がこんなに苦労して頑張って生きているのに、自分ばかりさらっと美味しい思いをしてしまっては申し訳ない」

「だから私も何かしら苦労して頑張って生きないと、両親の苦労が報われない」

なんていうのはとても良くあるパターンです。

 

これは「お金」の問題として出てくることがとても多く、

「お父さんはこれくらいしか稼いでいなかったんだから、自分はそれよりちょっと少ないくらいにしておかないとお父さんに申し訳ないから、それくらいの稼ぎに留めておく」

なんてことになったりします。

 

もちろんこれは意識してやっていることはまずありません。意識されるのは

「こんなに頑張っていて本当はもっと稼ぎたいのに、なんでこれ以上の稼ぎにならないんだろう?」

という理不尽な思いばかりです。

 

ここでも、先日のメルマガでお話した「潜在意識」が暗躍(笑)しています。

潜在意識の中に、「親を差し置いて自分だけ幸せになっては申し訳ない」という思いが隠れているため、頭で考える「豊かになりたい」という思いとは裏腹な現実が作り出されているんですね。

 

(今回からメルマガを読み始めてくださった方のためにちょっと説明すると、潜在意識というのは普段は意識されない心の領域です。

「表面意識」という、頭で意識できる思考の領域は心の中で1~3%ほど、それに対して「潜在意識」と「無意識」という普段意識することのない領域は、実に97~99%と言われています。

なので、頭で考える願いが叶わない時は、「潜在意識」や「無意識」にある何かしらの思いや思い込みがそれを邪魔している時、ということなのです。)

 

ちなみに私の例も一つご紹介すると、私はずっと、なぜかいつも短期間で引っ越しをしなければならないという状況が何年も続いていた時期がありました。

いつも、自分にはどうしようもない理由でその時住んでいる部屋から引っ越さなければならなくなるのです。

いつも、なんでこうなっちゃうんだろうなぁ、と理不尽さに不満を募らせていました。

 

後に心のことを学ぶようになって分かったのは、私の場合は、父に対して「私が居場所を持ってしまうのが申し訳ない」という思いがあったんですね。

私の父は単身赴任の期間が長く、家族の中に居場所がないように私にはずっと見えていました。

なので、「父が持つことのできなかった『居場所』を自分には許してしまうなんて、申し訳なくて絶対できない」と潜在意識の中で思っていたんですね。もちろんそんなことは全然意識していませんでしたが。

なので、潜在意識が望む「居場所を持たない」ということが、「いつもなぜか短期間に引っ越さなければならなくなる」という風にきれいに現実に現れていたのでした。

 

こんな風に、「なぜか自分の幸せに、目に見えない制限がある」と感じるとき、その背景には、「大好きな誰か」と、「その人よりも幸せになることへの罪の意識」があったりします。

その「大好きな誰か」が手にした以上の幸せを、自分に許すことができないんですよね。

またまた、頑張り屋さんの健気マインドの発動です(笑)。

 

でも実際、自分が望むものが手に入らないのは苦しいし悲しいものです。

でも、それを手に入れてしまったら「大好きなあの人」に申し訳ない。

そんな葛藤が生まれます。

 

じゃ、この葛藤をどうしたら抜けていけるのか?の考え方を一つご紹介しますね。

それは、「『大好きなあの人』は、私が申し訳ないからと幸せを制限して生きることが嬉しいだろうか?」という視点です。

 

例えば、「お父さんがお金で苦労したから、自分の稼ぎもこの程度にしておかないと申し訳ない」という思いをお父さんが知ったら、お父さんは嬉しいでしょうか?

多分、子供にそんな風に思わせてしまった父親としての自分を情けなく感じると思うんですね。

幸せに稼いで豊かさを受け取れる人間に育ててやれなかった自分を、不甲斐ないと感じるのではないでしょうか。

 

また、私が父のために常に居場所を持たずにいたことを父が知ったら、父は自分をひどく責めただろうと思います。

居場所を作ってやることが父親としての自分の役目だったはずなのに、その自分のために娘が自分の居場所を自分で奪っていたのだとしたら。そんな苦しみはないですよね。

 

結局、「償わなければ」と思っているのは私、なのです。「大好きなあの人」より幸せになる自分を罪人にしているのは、私、なんですね。大好きなあの人は、そんなこと微塵も思っていないのです。

そこから抜け出すには、幸せをどんどん受け取ることです。豊かさをどんどん受け取ることです。

そして「大好きなあなたのお陰で、私はこんなにも幸せです」と感謝を送ってあげることです。

その時、あなたは自分の「罪」をゆるすことができます。そして、あなたが自分の幸せを制限することで大好きなあの人が背負う苦しみも、取り除いてあげることができるのです。

 

さて、あなたが今、無意識に償おうとしている「罪」、制限している幸せはどんなことでしょう?

誰に対して、その申し訳なさを感じているのでしょう?

その人は、あなたが「罪」を背負い続けて自分の幸せを制限し、あなたに償ってもらうことを、本当に望んでいるでしょうか?

 

参考になればうれしいです。

閑話休題。

夕暮れの運河でボート遊び。

オランダでもコロナの検査が受けられるようになりました。

実は私もずっと風邪とは違う何かの症状が続いているので検査を受けたいのですが、保健所の電話は一日中まーったく繋がりません(涙)。国中が電話をかけているようです。

あ、でもごく軽い症状なのでいたって元気です!