「オランダ人は楽しいことが好き。」
これは、私の身近なオランダ人は皆そう言っているので、「オランダ人」に一般化してしまうのもそれほど乱暴なことでもないのだろうと思う。
オランダ人の知り合いがスキー旅行に行った時のこと。
リフトが動かなくなり、風が強かったか何かの事情で、スキーで下ることもできなくなった。
仕方ないので、安全な頃合いを見計らって、皆で歩いて(恐らくスキー板を担いで)下ることになった。
この山は、オランダだけでなくドイツやフランスやイタリアなど、ヨーロッパのいろんな国から冬休みのスキーレジャーに人が訪れるので、徒歩で下る際もいろんな国籍が混ざっている。
すると、それぞれの国の人たちがグループで下りていく様子が、国民性(の一面)を表していて面白かったそうなのだ。
リフトが動かず、思い通りのレジャーが楽しめないことに不平を言い、メンテが「なってない」ことを非難しながらもきれいに並んで歩いていくのはドイツ人。
とにかく不満そうに、面倒くさそうにちんたら歩いていくのはフランス人(だったかな?)。
そして、ずんちゃずんちゃと何だか良く分からない行進曲を歌いながら、雪上カーニバルのように歩いていくのはオランダ人。
少なくともその時の様子はそんな感じだったそうである。
話してくれた彼は、
「ほんと、俺らってね」
と笑っていた。
ちなみにこれ、「どんな時も楽しみを見出そう!」的な、きらきらの使命感というより、
スキーしに来てるのに板を担いで徒歩で下山、みたいなシュールな場面が単純におかしかったり、
みんなで歩く時にちょっとダサくておかしい歌を歌ったらなお楽しいよね、みたいな感じで、
楽しいことが好きだからこそ、日頃から自然と磨かれているセンサーが、その場で楽しくなりそうなことをついつい拾っちゃってる、
というくらい、ごく自然な感じなのだろうと思う。
もちろん、そんなオランダ人に馴染まないオランダ人もいますよ。実際そんな人も知ってます。
それから、オランダ人が「良くて」、他の国が「良くない」とか、そんな話でもないです。
ただ、
「あぁ、私がオランダ人が好きなのは、とりあえずその場面を楽しんじゃうというシンプルさに惹かれるというのもあるんだな」
と思ったお話だったのでした。
あなたは楽しいこと、好きですか?
*
冬の夕方の美しいこと。