怒りって、
動物が生き延びるのに必要な感情なんですね。
私はこれを実感したことがあるのです。
こんにちは、オランダ在住カウンセラー、コバヤシアキコです。
自分迷子な大人女子さんが、本気で人生を取り戻すお手伝いをします。
そう、あれは、忘れもしない、大晦日の夜でした。
もう10年以上前になりますが、
オランダに移住して最初の大晦日、
私は、数名の仲間と共に、自転車でパーティーに出かけました。
オランダの大晦日ってお祭り騒ぎになります。
街中の広場と言わず普通の道路と言わず、そこら中で花火や爆竹がさく裂します(他のヨーロッパの国もかな?)。
花火などで手指などを吹っ飛ばされるくらいのケガ人も続出するほどの大騒ぎです。
で、オランダの自転車って、足がつかないくらいサドルが高いんです。
しかも、ものによっては、ブレーキがハンドルについてなくて、ペダルを逆こぎする必要があります。
あろうことか、たまたま私が借りた自転車がそのタイプでした。
すると、大みそかで真っ暗で、
乗り慣れない足のつかない自転車で止まり方もままならず、
通り過ぎるすぐ横ではアクション映画並みにいろいろ爆発して、
文字通り煙がもうもうと立ち込めているわけです。
私はものすごく怖かったんですね。
ほんとに、本当に、怖かったのです。
冗談抜きで、命の危険を感じました。
すると、大体15分か20分くらい自転車に乗ったかと思うんですが、
パーティー会場に着いた頃、なぜか私は激怒していました。
もう、憤怒と言って良い怒り、でした。
誰に何をされたわけでも言われたわけでもなく、怒る相手もいないのです。
当然ですけど。
でも、その場でわたしはただ激怒していました。
「怒り」は本能的な感情です。
さてここで、いきなり「脳」のお話です。
「怒り」は、「大脳辺縁系」という、脳の中でも原始的な部分で生まれる感情です。
私たち人間はもちろん、犬猫のような動物にもある脳の部位です。
目の前に敵がいて命の危険を感じた時、
動物の脳は、この大脳辺縁系で「怒り」を発生させることで、身体を緊張状態にします。
アドレナリンやノルアドレナリンが大量に分泌されて、興奮状態や身体能力を高め、
敵を攻撃することで身を守ったり、または一目散に逃げるための準備をするんですね。
つまり、「怒り」の感情がないと、動物は生き延びることができないのです。
「怒り」って、私たち動物の生死に関わる、とても重要な感情なのです。
大脳辺縁系は、そうやって私たちの命を守っているのです。
大晦日の夜、私は見えない敵を相手に怒り、生き延びようとしていたのでした。
ということはつまり、
オランダの大晦日で私が感じた「怒り」は、
まさに、私が命の危険を感じたからこそ、生き延びるために本能的に感じた感情だったのですね。
なんていうか、
あの時の私は、野生のクマが山で人間に鉢合わせした時と同じ怒りを感じていたんでしょう。
自転車で転びそうになり、花火や爆竹がすぐ足元で炸裂する状況(これは見えない敵?だったのか)に、
生存本能によって私の大脳辺縁系は怒りを発生させたのでしょう。
人間て、ほんとに動物なんですね。
(というか、私が野生のクマだったのでしょうか。)
(そしてまさか、脳科学がこんな風に実感できるものだったとは思いませんでした。)
怒りを感じない人になることは、できません♡
「怒り」という感情を嫌って、
「怒り」なんか感じない人になろうと修行を重ねる方もいらっしゃるかと思います。
が、ここまで読んでいただくと、
それがシンプルに「無理♡」であることがお分かりいただけるかと思います。
もちろん、
私たち人間の脳は、クマよりずっと発達しているので、
「怒り」の持つ意味もずっと複雑です。
でも、
そもそも「怒り」をなくすことが、脳の働きからも不可能ならば、
怒らないようにと不毛な努力をするよりも、
私たち人間ならではの「怒り」のいろんな意味を理解し、上手に付き合えるようになることは、
とても建設的で素敵なことだし、
それでこそ私たちは、クマでもサルでもなく、ヒトになれるよね♡
と思うのですね。
ワークショップのネタバレでした。
実は、このお話は、
今ご案内中の【怒りのワークショップ~上手に怒れる私になろう~】で
お話しようと思って資料を作っていたのですが、
大晦日の話はちょっと面白いかも、とブログでネタバレすることにしたのでした。
ワークショップでは、このお話もここから更に広げていきます。
あなたが自分の怒りを少しでもフラットに受け止め、理解して付き合っていけるように、
いろんなお話やワークをしていく予定ですよ♪
ぜひ楽しみにご参加いただければうれしいです♡
「怒り」というアツいテーマで、
夏の夜をオンラインでご一緒できますことを、
楽しみにしております。
今日もお読みいただきありがとうございました。
コバヤシアキコ
今日の一枚。
レインボーフラッグの街角。