思い通りにならないと、
すぐ感情的になってここぞとお金の話を持ち出し、
コントロールしてくる父と、
精神的に不安定で、
ずっと愚痴を受け止めてあげてきた母。
これからの両親との付き合い方に悩んでいます。
そんなご相談にお返事しました。
自分迷子な大人女子さんに、「わたし」を生きる最高のよろこびを。
オランダ在住カウンセラー、コバヤシアキコです。
今回は、オンラインカウンセリングサイト「ココロノマルシェ」に寄せられたご相談にお返事します。
ご相談:「両親との付き合い方について」
両親との付き合い方について
今度、都内の旧祖父母の家(実家からほど近い父親名義のマンション)に私たち夫婦が住むことになりました。
私たちはゆくゆくは自然豊かな土地で庭付きの戸建てに住みたいと考えていましたが、祖母は老人ホームに移る前から私に住んでほしいと言ってくれていたり、両親からも「近くに住んでくれると嬉しい」と言われていたこともあり、とりあえずリノベーションをして住むことに決めました。
父は70過ぎですが、現役で仕事をしており経済的に安定しています。
リノベーションについても、金は出してやるから好きにしなさいと言ってくれています。
私たち夫婦は仕事でなかなか多忙な日々を過ごしており、突然舞い込んできたマンションの片付け、リノベーション内容の検討、業者探しや引っ越しなどに割く時間を頑張って作るしかありません。
ただ、マンションは今は空室ですが父親名義なので家賃は発生しておらず、私たちの今住んでいる家もつい先日更新をしたばかりなので引越しを急いでいるわけではありません。
後悔したくないのでリノベーションについて仕事の合間に時間をかけてじっくり検討したいのですが、そのことを父に伝えると
「タダでマンションに住まわせてもらうのに、そのことを最優先で考えられないなんて信じられない。そんなことなら第三者に貸すことも考えたっていいんだぞ。」と怒鳴られました。
「そうしたいならそれで良いよ。」と伝えましたが、黙ってしまいました。
また、建設的な話をしている最中でも都合が悪くなると「訳わかんない」だの「信じらんねーよ」など、すぐ感情的な言葉をぶつけられます。
思い返せば父はいつもこうでした。
頼んでもいないのに、お金を払ってやってるということで私や母を縛りつけ、コントロールしようとします。
家に来るなり、私が自分で稼いで買ったものを見つけては「これはいくらだった?」と値段を聞いて、頼んでもいないのにその金額にいくらか足した金額を振り込んできます。
私が父の思いどおりにならないときにはすぐに感情的になり、ここぞとばかりにお金の話を持ち出してくるのです。
10年前、そんな歪んだ環境が辛くなり、ほとんど飛び出すような形で実家を出て、誰にも頼らず暮らし始めたことを思い出しました。(忘れてしまっていました。)
私は父に怒られることや呆れられることが怖くて、なるべく父が機嫌良く過ごせるように従ってきました。今もそうです。
母は精神的に不安定で、私は幼い頃から毎日のように父や祖父母(舅と姑)や身内の愚痴を受け止めてきました。父や祖父母をはじめとして、身内とうまく付き合えてこれなかったのはこのせいなのかな、と大人になって思います。
長くなりましたが、これから両親の側で暮らすことが不安です。
今からでもやめた方が良いかもしれないとも思いますが、年齢も年齢なので近くにいてあげたい気持ちがあることも事実です。
どういった心持ちで付き合っていけばよいでしょうか。
また、このような境遇に何か名前がついていたら教えてほしいです。
(たまごさん)
たまごさん、こんにちは。
オランダ在住カウンセラー、コバヤシアキコと申します。
とても不器用で、お子ちゃまなところのあるお父さん、という印象を受けました。
ご両親をだいぶたくさん背負ってこられましたね。
これからご両親と、どんな心持で付き合っていけば良いか、ということで、
私からのお返事では、
上手に付き合うためには、まずはお父さんを理解して、たまごさんの中に余裕を作りましょう、ということで、
- お父さんは、愛されている自信がないのかも?
- お金は、お父さんの愛情の象徴なのかも?
という二つの視点をお話しし、
お母さんとの関係もより適切に心地良くしていく視点としては、
- 適切な境界と対等性を意識すること
をご提案しています。
私のお返事はこちら↓です。お役に立てれば嬉しいです♡
お父さんは、愛されている自信がない?
お父さんと、どんな心持ちで付き合っていけば良いかを考えるために、
まずは、お父さんを「理解する」ことから始めてみましょう。
お父さんは、お金で家族をコントロールするタイプで、
たまごさんがお父さんの思い通りにならないと、すぐ感情的になり、
ここぞとばかり、お金の話を持ち出してくる、とのこと。
ここでまず考えてみたいのは、
お父さんが「コントロールぜずにいられない」のだとしたら、なぜでしょう?
ということです。
ご相談文をお読みして私が思ったのは、
たまごさんが、お父さんの思い通りにならない時、
お父さんは、たまごさんの心が自分から離れてしまう(愛されなくなってしまう)ような、
「怖れ」とか「不安」とか「寂しさ」とか「悲しさ」を感じるのかも?
ということでした。
お父さんは、自分がたまごさんから愛されていることに、だいぶ自信がないのかな、
思い通りになってもらう以外に、愛されていると感じる(愛を受け取る)ことが苦手な方なのかな、
と思うんですね。
なので、
お金や怒りでコントロールして、自分に繋ぎとめておかずにはいられないのかも、
そして思い通りになってくれれば、たまごさんが自分を愛してくれていると感じられるのかも、
すると、安心してごきげんになれるのかも、
と想像するのです。
たまごさんからすれば、
「お父さんを愛していないなんて、そんなわけないじゃん!」と感じるかもしれませんが、
お父さんは、それくらい、娘から自分が愛されていることに自信が持てていないのかも?
それくらい自信がないからこそ、何とかしてコントロールしたくなるのかも?
ということなんですね。
(なので、
10年前に、たまごさんが飛び出すような形で実家を出られたのは、
たまごさんにとっても相当の思い切りが必要だったかと思いますが、
お父さんにとっても、衝撃はだいぶ大きかったのではないかなと想像します。)
お父さんへの理解の一つめのポイントとして、
そんな可能性を考えてみたいなと思いました。
(ちなみに、
お父さんが愛されている自信がないことのルーツは、
お父さんご自身のご両親(お祖父さん、お祖母さん)との関係にあったりするのかも?
また、もしかすると、お祖父さん(またはお祖母さん?)も、お父さんを強くコントロールする存在だったのかも?
などと邪推したりもします。
何か、エピソードを聞いたことはありますか?)
お金は、お父さんの愛情の象徴。
そんな、
コントロールせずにはいられない、愛されていることに自信のないお父さん(?)ですが、
ここでもう一つ、
お父さんがここぞという時に使う、「お金」の意味について考えたいと思います。
もちろん、
お金というのは一般的に、人を動かしたりコントロールするのにとても有効なツールです。
お金の話さえ出せば、人を黙らせられるくらいの力を持つこともできます。
お父さんもそんな風に、お金を権力の象徴として使っている側面もあると思いますが、
お金って実は、愛情表現の一つでもあるんですよね。
なので私は、
お父さんにとっての「お金」は、自分がたまごさんに与えられる愛情の象徴でもあるのかな、
そしてもしかすると、お父さんは、「お金」以外に愛情を表現する方法を知らないのかもしれないな、
と想像するのです。
お金が、自分が娘に与えられる唯一の愛情表現なのだとしたら。
自分が提供するマンションに住むことを、たまごさんに最優先にしてもらえないことは、
お父さんには、自分の愛情が、最優先にする価値あるものとして、
たまごさんに受け取ってもらえないように感じるのかもしれません。
それで、悲しくなって怒り出し、
「第三者に貸す」などと、脅しめいたことをつい口走ってでも、
自分の愛情を受け取らせようとしてしまうのかもしれません。
(空振りに終わってしまいましたけれども…)
また、
たまごさんが、自分で稼いだお金で好きなものを買うことは、
自分の愛情が、もう必要ないと言われたような気分になるのかもしれません。
それで、その金額プラスアルファを勝手に振り込むことで、
自分の愛情の価値や大きさをたまごさんに知らしめ、
有無を言わせず受け取らせようとするのかもしれません。
・・・と聞くと、どんな気がするでしょう?
「そういうことかぁ」と思える部分もあったりするでしょうか?
それとも、あんまり何もかすっていない感じでしょうか?
(何かしらかすってると良いなと思っていますけども!)
お父さんとの付き合いでは、「理解」して「余裕」を作る。
どこかしら、何かしら、かすっていたら良いなと願いつつ、
もう少しお話を進めてみますね。
そんな、
自分が愛されている自信がなく、つまり愛情の受け取り下手で、
同時に、愛することもお金でしか表現できない、
とっても不器用で、ちょっとお子ちゃまなお父さんとの付き合い方、です。
これは、もうとにかく、
そんなお父さんを理解すること、
お父さんがこういう言動ばかりになる、その心のカラクリを知っておいてあげること、
が、まずは大切だと思います。
自分の思い通りにならなくて感情的になり始めたら、
「あぁ、お父さんは今、自分が思うように愛されていないと感じて、
寂しくなっちゃってるのか、悲しくなっちゃってるのか」
と、ご自身の中でまずは理解してあげます。
すると、「怖いから従う」のではなく、
「はいはい、仕方ないですね~、だいじょぶ、合わせてあげますよ~」などのように、
ご自身の意思で、余裕を持って対応ができるようになるかもしれません。
逆に、やっぱり合わせないことを選ぶのも、そこまで恐怖を感じなくなるかもしれないし、
そのコミュニケーションにも余裕が生まれるかもしれません。
また、お金を振りかざしてコントロールしようとしてきたら、
「あぁ、お父さんは、何よりも優先して自分の愛情を受け取ってほしいのね、
私に最優先で受け取ってもらうことで、自分の愛情が価値あるものだと感じたいのね」
と、やはりご自身の中で理解してあげます。
すると、
コントロールするためにお金を振りかざしてくるので、黙って受け取らざるを得ない、のではなく、
「はいはい、受け取ってほしいのね、ありがとう、ちゃんと受け取ってあげますよ~、
だいじょぶ、私はお父さんをこんなにも愛してますよ~」のように、
やはりご自身の意思で、余裕を持って対応ができるようになるかもしれません。
いずれにしても、こんな理解があるだけでも、
お父さんの感情的な言動の本当の意味が分かるようになるので、
ずいぶんと心に余裕ができて、振り回されにくくなると思うんですよね。
また同時に、
「そうか、私はこんなにもお父さんに愛されているのか、
もっと素直で分かりやすい表現をしてもらえたらもっと良かったけど、
とにかくこれがお父さんの愛情で、私はこんな不器用なお父さんに、こんなにも愛されてるのね」
と、受け取ってあげるのもおすすめです。
結局、お父さんが求めているのは、
「愛されること」と、「自分の愛を受け取ってもらうこと」なので(結局同じことですが)、
こうして理解してあげたり受け取ってあげることで、それを叶えてあげられると思うのですね。
ちなみに、
こういったことを直接お父さんにコミュニケーションするのは、必ずしも必要ではないと思います。
伝えても、ご本人には意味が分からない気がしますし、
下手すると、また怒りだしてしまうかもしれません。
でも、たまごさんの中にこれらの理解があるだけで、
今後、自然豊かな土地に引っ越すにしても、お父さんのマンションに引っ越すにしても、
これからのお二人の関係性やコミュニケーションに、だいぶ余裕を作れるのでは、
と思うのです。
お母さんとの付き合いでは、「適切な境界」と「対等性」を意識する。
それから、お母さんとの付き合い方にも触れておきましょう。
お母さんは精神的に不安定で、たまごさんは幼い頃から愚痴を受け止めてあげていたとのことで、
近くに引っ越すと、これまで通り、背負ってあげなければならない負担のある状態が続きそうだし、
かといって遠くに引っ越してしまうと、お父さんと一緒に残すことも心配だし、
そばに受け止めてあげられる人がいなくなってしまことも心配、
というジレンマがある感じでしょうか?
これまでずっと、たまごさんが、お母さんの母親役を引き受けてこられたようで、
大人の女同士の、対等な関係にはなっていないのかもしれません。
実はお父さんとの関係も、対等な大人同士にはなっていないのかなと思いますが、
まずは上でお話したような「理解」や「受け取る」などを通じて、
より適切な距離感で対等性が作れるようになると思います。
それと同じように、
お母さんとの関係も、適切な距離感で対等な関係にしていけると良いと思うんですね。
すると、たまごさんがお母さんを背負い続ける必要もなくなっていくと思います。
なので、ここではひとまずは、
「今の私とお母さんの関係は、おんぶに抱っこのちょっと不自然なバランスになっているらしい、
別々の人生を生きる、対等な大人の女同士の関係ではないらしい」
という意識を持ち、
お母さんとの間に、適切な境界線と対等性を作ることを意識しながら関わってみられるのをおすすめします。
自分で進めていく場合には、
「そもそも適切な境界線と対等性って、どういうことなんだろ?」と考えつつ、になるかもしれませんが、
そうやって考えつつ、こうかな?ああかな?といろいろ取り組むことで、気づきも得られるのでは、
と思うのですね。
そんなところをご提案したいなと思いました。
(でももちろん、セッションではより具体的に踏み込んだ分析や解説やご提案もできるので、
よかったらご検討くださいね!)
とっても応援しています♡
いろいろフラストレーションがありながらも、
年齢も年齢なので近くにいてあげたい気持ちもあり、
たまごさんはご両親想いのとても優しい娘さんですね。
ご両親も幸せ者な方々です。
そんなたまごさんが、たまごさんご夫婦にとって最善の選択をしながら、
お父さん、お母さんとも心地良いお付き合いができますよう、
心より応援しております。
よかったら、お話聞かせてくださいね!
お読みいただき、ありがとうございました♡
コバヤシアキコ
今日の一枚。
運河の橋のライトアップが好き。